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決め切るFWと守り切るGK。
青森山田を初優勝に導いた2人のヒーロー (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 鳴海のプレーの礎(いしずえ)となっているのは、「1本中、1本を決める」という強烈なメンタルにある。並み居る強豪校が集(つど)う全国の舞台では、シュートを打つこと自体が限られる。いかに少ないチャンスを確実にモノにできるか――。それは、ストライカーとしての責任感とも言い換えられるだろう。自分が決めなければ試合には勝てないというエースとしての自負が、鳴海を得点王に導いた最大の要因となった。

 今大会の鳴海は、不思議な感覚にとらわれていたという。

「(U-18)プレミアリーグとかだと、ゴール前で焦ることが多かったんですが、今大会はゴール前でボールに触れば入っちゃうというか。落ち着き過ぎっていうほど、落ち着いてプレーできましたね」

「なぜ?」と問われた鳴海は、首をかしげながらこう答えた。

「やっぱり、最後の大会だからじゃないですかね」

 3年間の集大成となる大会で、鳴海の精神は極限まで研ぎ澄まされていたのだろうか。いずれにせよ、この大舞台で普段以上のパフォーマンスを発揮できるのだから、只者ではない。あこがれのクリスティアーノ・ロナウドをマネたゴールパフォーマンスや、交代後に客席に手を振って応える所作(しょさ)も含め、このストライカーは大物の予感を十分に漂わせていた。

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