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明暗分けた優勝候補。青森山田は
苦杯をなめた東福岡を教訓にできるか (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Manabu

 だが、百戦錬磨の指揮官は「連戦なのでいい試合もあれば、悪い試合もある」と落ち着いた様子で語り、「内容はまったく納得していないが、それでも勝ち上がれたことは(気を引き締めるという意味では)逆によかったかな」と笑みをこぼす。

 ライバルが目の前で敗れているだけに、無事勝利できたことに少なからず安堵の気持ちもあるのだろう。黒田監督は「これが高校サッカーの怖さ。明日は我が身」と口にした。

 青森山田は今大会の組み合わせが決まった瞬間から、準決勝で東福岡と対戦することを予想していた。いや、望んでいた、と言ったほうが正確かもしれない。キャプテンのMF住永翔(すみなが・かける/3年)は「(東福岡と)やりたかったというのが本音」と胸の内を明かし、こう語る。

「優勝するためには、避けては通れない相手だと思っていた。自分たちは高円宮(高円宮杯U-18サッカーリーグ2016チャンピオンシップ)で優勝したが、選手権で勝ってこその日本一だと思っていた」

 ところが、対戦目前で東福岡が敗退。青森山田にしてみれば、「明日は我が身」の思いの一方で、喪失感からモチベーションが低下しても不思議はない。目標に対する気持ちが強ければ強いほど、得てして起こりうることだ。

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