引退した永井秀樹の新たな挑戦。「ヴェルディを再びチャンピオンに」 (4ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

ヴェルディ再建。次なる夢を求めて

「ヴェルディを愛するみなさま、もう一度ヴェルディがチャンピオンチームに返り咲き、日本サッカーを引っ張るリーディングクラブに返り咲くその日まで、いや、その先永久にずっとヴェルディをお願いします」

 引退セレモニーでそう語った永井。25年間の現役生活を終えてこの先、どこへ向かうのか。

「『自分にどれくらいのポテンシャルがあるか』『どういう立場が自分には向いているのか』という問題はあるけど、間違いなくやりたいのは"サッカーの質"の追求。本当に夢のあるクラブ、日本式のサッカーで、世界で勝負できるクラブを作りたい。現場の指導者なのか、それともマネジメントなのかわからないけど、『Made in JAPAN(メイド・イン・ジャパン)』のサッカーで、世界を舞台にして戦っていけるようなクラブ作りに携わりたい。それが、今の夢」

 11月12日のホーム最終戦の1週間後に行なわれたFC岐阜とのシーズン最終戦をもって、永井は正式に現役生活に終止符を打った。

 この試合、永井は出番のないまま、ベンチで現役生活を終えた。

 1993年5月15日、歴史的な試合となったJリーグ開幕戦を、ベンチで戦況を見つめていた永井。生涯最後の試合もまた、ベンチで過ごした。これもまた、なんとも「永井秀樹」という男のサッカー人生らしい巡り合わせにも思えた。

「現役生活の本当に最後の最後、1分も試合に出られないまま終えた悔しさは、一生忘れられない"怒り"。でも、この怒りを必ずまた次のエネルギーに変えてやろうと思うね」

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