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引退した永井秀樹の新たな挑戦。
「ヴェルディを再びチャンピオンに」 (2ページ目)

  • 会津泰成●文・撮影 text&photo by Aizu Yasunari

 加えて、今やJ2が戦いの舞台の定位置となり、「黄金期」を知らない若手選手の指導役として、永井が果たした役割は大きかった。

 永井は練習後、若手選手を食事に連れていっては、人気、実力とも国内最高と呼ばれた読売クラブから続く、ヴェルディというクラブについて語り尽くした。緑のユニフォームの歴史をはじめ、自分たちがどれだけ日本サッカーの発展に貢献してきたクラブなのか、自らのクラブに誇りを持つよう、若手たちに丁寧に教え込んできたのだ。

 また、ヴェルディには『永井塾』と呼ばれる、練習後に永井が指導する自主トレグループがあった。ほぼ毎日30分程度、永井は若手に「止める」「蹴る」というサッカーの基本を伝授してきた。5度目の復帰を果たしてからの3年間、澤井直人、安西幸輝、高木大輔、中野雅臣、菅嶋弘希、井上潮音、林昇吾、渡辺皓太ら、次代のヴェルディを担う若手たちと、練習後にも一緒に汗を流してきた。

「子どもの頃から、世界で勝負できるサッカー選手になりたかった。日本代表に選ばれて、ワールドカップに出場して、世界の舞台で戦いたかった。でも、残念ながら(その夢は)かなわなかった。選手として世界で勝負する夢は若い世代に託して、自分はそれをサポートする形で夢をかなえられたら、と思ってね」

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