OB福田正博が考える、「浦和レッズが真の王者になれない原因」 (4ページ目)
だが、それは最初からわかっていたこと。あえて敗戦後に持ち出したのは、監督が結果に対して責任を負う職業だという側面を考慮しなければならない。ペトロビッチ監督は、サンフレッチェ広島を率いていた時代を含めた10年間で、1度しかタイトルを獲れていないことへの批判を十分に理解している。今後も継続して指揮をとっていくために、チームマネジメントの一環として、別のところに非を見出している部分もあるのだと思う。
しかし結局のところ、昨年は年間1位の広島がチャンピオンシップを制覇できたのに対し、今年の浦和が負けたことへの言い訳に過ぎず、大きなプレッシャーにまた押し潰されたことから逃げているようにしか映らない。
勝ち点についても、今シーズンの浦和はファースト、セカンドの34試合で23勝5分6敗、年間勝ち点74と素晴らしい結果だが、厳しいことを言えば、あくまでもプレッシャーのかからない状況下での勝ち点だ。もし、1シーズン制で年間を通して優勝が決まるシステムだったら、同じように勝ち点を伸ばせたかどうかは不確定要素が多い。
観客動員数やグッズ販売などの収益で他クラブを圧倒する浦和は、ビッグクラブと呼ばれるが、リーグ優勝は10年前の1度しかない。翌2007年にACLを制しているものの、当時はワシントンやポンテという強力な外国人選手に頼ったもので、そこには「浦和イズム」と呼べるものはなかった。
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