OB福田正博が考える、「浦和レッズが真の王者になれない原因」 (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 また、1点を追うことになった終盤にはFWズラタンに加えて、槙野を前線にあげてロングボールを放り込み、空中戦からのチャンスを狙ったが、もうひと工夫がほしかった。

 例えば、川崎フロンターレはセカンドステージの横浜Fマリノス戦で、2-2の試合終盤に長身DFのエドゥアルドを最前線にあげたが、簡単にクロスを放り込まず、サイドから崩して勝ち越しゴールにつなげている。風間監督はエドゥアルドを最前線に置いた狙いについて「相手のDFラインをゴール前に押し込むこと。あとは選手たちの判断に任せた」と明かした。こうした状況に応じた判断が、浦和にはできなかった。

 ここ数シーズン、何度となく大一番で栄冠を逃し、今回もチャンピオンシップで敗戦した浦和。「真の王者」になるためには、クラブ全体が敗戦をしっかり受け止めて、真摯に向き合うことが必要だ。

 試合後、勝者の鹿島を讃えながらも、大会規定への不満をこぼしたペトロビッチ監督の言い分も少しは理解できる。今シーズンのリーグ戦で年間1位の浦和が積み上げた勝ち点は74。対する年間3位の鹿島は59。その差は15もあったが、チャンピオンシップの規定では、そのアドバンテージがそれほど考慮されていなかったからだ。

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