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J2にハマりっぱなしの千葉と京都。
直接対決で昇格の望みに明暗 (4ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 その昇格プレーオフを見据えれば、やはり守備力が京都の強みとなりそうだ。昨季のアビスパ福岡も堅守を軸にプレーオフを勝ち上がっていったが、1発勝負の戦いでは第一に守備が崩れないことが肝要となる。加えて、この日魅せたようなシンプルかつスピーディな攻撃が機能すれば、J1返り咲きのシナリオも十分に実現可能だろう。

 一方で不甲斐なかったのは千葉だ。勝ち点8差の10位で迎えた京都との直接対決は、勝てば5ポイント差となり追撃態勢を整えられたはずが、敗れたことによりその差は11に拡大。数字上では可能性を残すが、逆転でのプレーオフ進出は現実的には厳しいと言わざるを得ない。

「まだチャンスがあるっていうふうに受け止めるのが正直難しい。この試合の重要性をかなり感じていましたし、3ポイントがどっちにいくかによって、プレーオフに向けて状況が大きく変わるところだった。3ポイントを取れずに、逆に京都に3ポイントを取られた。今は自分のなかで整理がつかない」

 長年チームに在籍するベテランのMF佐藤勇人は、唇を噛んだ。

 勝つことで可能性を高められる重要な一戦だったにもかかわらず、開始早々にゴールを奪われ、集中力を欠いたかのような対応から失点を重ねていく。反撃の機会もままならず、チャンスもほとんど作れない。試合後にゴール裏のサポーターが怒りを爆発させたのも致し方ないパフォーマンスだった。

 イビツァ・オシム監督のもとで、栄光を勝ち取った時代は、もはや色あせてしまった。すっかりJ2の住人となってしまった千葉の現状に、得も言われぬ詫(わ)びしさを覚えた。

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