ポーランド移籍も封印。豊田陽平「だから鳥栖はやめられない」 (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by AFLO

 豊田本人は意外そうだったが、そのオファーは必然とは言えないまでも、想定内の出来事であった。

 まず、豊田はそれだけのゴールの 実績をJリーグで積み上げてきた。4年連続15得点以上という記録は、欧州クラブが興味を示すのに十分だった。Jで匹敵するスコアラーは大久保嘉人(川崎 フロンターレ)のみ。日本ではストライカーを語るとき、付属的な要素が語られすぎるが、欧州では単純に得点数が基準になる。レベルにかかわらず、ゴールを 量産するのは難しいからだ。

 またポーランドでは、代表2トップのレバンドフスキ、アルカデウシュ・ミリク(アヤックス)に象徴されるように、強く高く、クロスの駆け引きに長じる大型FWが優遇される。鳥栖における豊田の存在感は2人に近い。

  さらに、ポーランド国内リーグで日本人選手の評価が上昇している点も挙げられる。過去には赤星貴文がMKSポゴニ・シュチェチンで活躍を見せ、ロシア1部 リーグへ移籍(現在はシュシェチンに復帰)。日本代表MFの森岡亮太もヴィッセル神戸からシロンスク・ヴロツワフに移籍し在籍半年で有力クラブへの移籍が 噂される活躍を示している。

「(豊田に興味を示した)チームは当初、29歳以下の条件でストライカーを探していたようです。自分は31歳なので、相当にいい評価を与えてもらったということかもしれませんね」

 豊田は内情を明かす。

3 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る