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宇佐美貴史のブンデス再挑戦を、
戦友・遠藤保仁はどう見ているか (5ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 アウクスブルクは中堅クラブゆえ、ボールをしっかり保持して常に主導権を握って戦うようなチームではないからだ。アウェーの試合となれば、より守備的な戦い方に徹するだろう。だとすれば、かつて「ドイツのスタイルは自分に合わない」と言っていた宇佐美は、なかなか思いどおりにはプレーできない可能性がある。スタイルが合わない中で自分らしさを出していくのは、相当な力がないと難しいため、なおさら不安は増す。

 遠藤が再び語る。

「もともとアウクスブルクは攻撃的なチームではないからね。攻撃したいけど、できない状況をずっと我慢したり、その際にチームのために何ができるのか考えたりしないといけない。それにプラスして、ハードワーク。わかっていると思うけど、それができないと、ドイツでも、代表でも試合には出られない。

(チームのスタイルを考えると)最初はなかなかゴールを奪えず、結果が出ないかもしれない。でもそこで、周囲が騒いでも、気にせずにやること。それが大事だと思う。タカシは気にしぃだし、悩むと深く考え込んでしまうところがあるけど、持っているモノは十分に通用するんだから、我慢強く自分のやれることをやればいい。そうすれば、評価も、結果もついてくるよ」

 宇佐美にとって2度目のブンデスリーガの舞台は、過去を塗り替えることではなく、過去の経験を生かして3年間で成長してきたことをプレーで証明する場でもある。24歳の挑戦は決して甘いものではないが、打開していく術は十分に持ち得ているはずだ。

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