2016.06.30

王者サンフレッチェ、苦境の「4位」は、むしろ賛辞を贈りたい

  • 原田大輔●文 text by Harada Daisuke
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

V候補はなぜ沈んだのか(2) ~サンフレッチェ広島編~

 昨季、2年ぶり3度目のJリーグチャンピオンに輝いたサンフレッチェ広島は、ファーストステージを4位で終えた。今季開幕前には、昨季2位のガンバ大阪、同3位の浦和レッズとともに優勝候補に挙げる識者が多かったが、鹿島アントラーズと川崎フロンターレが壮絶な優勝争いを繰り広げる中、その争いに加わることはできなかった。

 だが、忘れてはいないだろうか。ここ4年で3度のJ1優勝を遂げたことにより、周囲の評価や求められるハードルは上がっているが、そもそもその予算規模において、広島は毎年優勝がマストとされるような"ビッグクラブ"ではないのだ。

 指揮を執る森保一監督が、限られた戦力の中で工夫をこらし、戦術的な進歩を重ねながら、選手をうまくやりくりして戦えるチームを作ってきた。今季もそれは同様で、選手の顔ぶれを見れば、昨季から大きな上積みもなく、せいぜい現状維持であることは一目瞭然だ。

 ファーストステージに13ゴールを挙げて、得点ランクのトップを走るFWピーター・ウタカにしても、昨季21得点をマークしたFWドウグラスが抜けた穴埋めであって、戦力アップとは言えない。第一、そのウタカはドウグラスと同じ2列目での活躍を期待されていたが、シャドーの位置では能力を最大限に発揮できなかった。結果的に、1トップで起用した森保監督の"工夫"によって光を放つようになった。