日本の攻撃陣「本田、香川、清武」はW杯最終予選で共存できるか (3ページ目)

  • 津金一郎●構成 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

 期待という点では若い選手や新たに招集された選手たちも、代表定着に向けてアピールした。なかでも小林祐希は日本代表としての"覚悟"を最も強く見せてくれたといえる。

 小林はボスニア戦の後半29分、左MF宇佐美貴史と交代でピッチに送り出されて代表デビューを果たした。彼はジュビロ磐田でボールに数多く触ることで特徴を発揮しているが、代表のピッチに立っても持ち味を出そうと積極的にボールに寄っていった。

 中央に寄り過ぎて味方から左サイドに戻るように指示されるシーンもあったが、彼のチャレンジする姿勢は評価できる。なぜなら、小林は何を評価されて代表に呼ばれたかを理解し、代表定着のために臆することなくプレーして、自分の特徴を他のメンバーに知らしめようとしたからだ。

 骨格ができあがっているチームに新たに入っていき、自分らしさを発揮するには、味方に自分のスタイルを理解してもらう必要がある。これは小林の目線が代表の端っこではなく、代表のド真ん中、つまりレギュラー入りを見据えていたからこそできたことだ。プレーの質もレベルもまだまだ高めていく必要はあるが、小林が日本代表として戦う覚悟を持ち続けている限り、そのハードルを越えていけるはずだ。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る