2016.06.13

ナイーブだったレッズ、老獪なアントラーズ。
J1の大一番を分けたもの

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 J1ファーストステージ第15節、3位の浦和レッズと2位の鹿島アントラーズとの大一番(※浦和の消化試合が2試合少ないため、順位は暫定)。前半20分くらいまでは、浦和の勝利しか想像できなかった。それほど、ホーム・浦和の試合への入り方は素晴らしかった。

 選手たちの角度の作り方が絶妙ゆえ、ボールが1タッチ、2タッチで滑らかに回り、前線の選手たちの”つるべの動き()”もこなれているから、縦パスが面白いように入っていく。「立ち上がりは非常によかったと思います」と、浦和のDF槙野智章も胸を張った。
※選手の上下動の動き。誰かが下がれば、誰かが上がるといった動き。

 それは、対戦相手の鹿島・石井正忠監督も認めるところだ。
「前半は思っていた以上に縦パスを入れられ、少し押し込まれてしまった」

FW興梠慎三(写真)をはじめ、チャンスを決め切れなかったレッズ ところが、浦和のFW興梠慎三のヘディングが外れ、MF武藤雄樹のインサイドキックがバーを越え、MF梅崎司のクロスがクリアされると、少しずつ鹿島に反撃の機会を与えてしまう。

 そして、鹿島のFW金崎夢生が決定機を得て2本のシュートを放った。しかし、いずれもポストに直撃。この時点ではまだ、運は浦和に味方していたが、後半に入って、MF柏木陽介がボールを相手に渡し、DF森脇良太がトラップミス。さらに、MF阿部勇樹までもが相手にボールをプレゼントしてしまい、危険な香りが漂い出したとき、痛恨のミスが起きた。