日本の攻撃陣「本田、香川、清武」はW杯最終予選で共存できるか (2ページ目)
一方で、中心選手がいない状況での戦い方には収穫があった。9月1日から始まるW杯アジア最終予選は長丁場になるため、本田圭佑や香川真司を欠く試合が出てくる可能性はある。今回は本田を欠いたブルガリア戦で4−2−3−1のトップ下に香川真司、左MFに清武弘嗣が入り、本田と香川を欠いたボスニア戦ではトップ下を清武がつとめたが、いずれも清武が存在感を発揮したことは大きい。
キリンカップ2試合で先発した清武弘嗣 photo by Fujita Masato なかでも、トップ下で香川のバックアップという位置づけの清武が、左MFとして香川と抜群のコンビネーションを見せたブルガリア戦は日本代表に新たな戦い方をもたらした。
清武と香川が絶妙な距離感で速いテンポでパス交換しながら組み立てていく攻撃は、これまでの日本代表ではあまり見られなかったもので、香川と清武の共存は攻撃陣のバリエーションになることを証明できた。
あとは本田が右MFに戻ったときに、香川と清武を含めた3人が共存できるかが今後の課題になる。香川と清武はボールと自分が動きながら速いリズムを作るのに対して、本田の特徴はボールを足元に収めてタメをつくる部分にあり、ふたりのリズムとは異なる。
それぞれの持ち味を生かして緩急のある攻撃になれば大きな武器になるが、どちらかに偏り過ぎると同時起用の意味がなくなってしまいかねない。これから先、彼らの連携がどう変化するのか注目したい。
2 / 5