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ロアッソ熊本・巻誠一郎が
古巣・千葉に送った「感謝のメッセージ」 (2ページ目)

  • 松本陸樹●取材・文 text by Matsumoto Rikuki  photo by AFLO

「この試合の前に一度ゲーム(練習試合)をやったんですけど、45分しかできなかったので、まだまだコンディションは上がっていないと思います」

 清武だけでなく、熊本の選手たちの運動量は後半、明らかに低下した。前半こそ0-0で乗り切ったものの、動きが落ちた後半に2失点。復帰初戦を白星で飾ることはできなかった。

 震災の影響だけでなく、主力の体調不良というアクシデントにも見舞われた。守護神・佐藤昭大がこの試合を前にインフルエンザで離脱。代わってゴールマウスに立ったのは、今季初出場の畑実(はた・みのる)だった。

 畑は被害の大きかった熊本の益城(ましき)町出身で、実家は甚大な被害を被ったという。「昨日の移動中に先発を知らされた」と明かしたように、スクランブル出場だった畑は好セーブを見せた一方で、74分に自らのミスで2点目を献上。「自分のミスでゲームを壊してしまったので残念ですけど、まだまだ試合が続くので頑張っていきたい」と、必死に前を向いた。

 巻にとっても、悔しいリスタートとなったに違いない。

「正直、勝ち点1でも熊本のみなさんに届けたかったですし、ひとつのゴールでも、1本でも多くのシュートでも、届けたかった。だから、今も無力感だったり悔しさだったり、いろんな想いはあります」

 試合後に記者に囲まれた巻は、やや目を充血させながら言葉を絞り出した。

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