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勝利も初優勝も。フロンターレの命運を握るのは、大島僚太の出来

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by Etsuo Hara/Getty Images

 5月14日に行なわれたJ1第12節、川崎フロンターレはヴィッセル神戸に3-1で勝利。この試合で勝ち点3を積み上げた川崎は、同じ日にアルビレックス新潟と0-0の引き分けに終わった浦和レッズを抜き、首位に立った(浦和は1試合消化が少ないため、暫定順位ではあるが)。

 試合後、取材エリアに現れた川崎のキャプテン、MF中村憲剛は終始笑顔だった。

 神戸が自分たちにどんな対策を採ってきたのか。それに対して自分たちはどう対応し、それがどれほどうまくいったのか。

 中村は、90分を通してほぼ神戸を圧倒し続けた試合について、満足そうに振り返ると、こう語った。

「今日の僚太はすばらしかった」

 中村が絶賛した「僚太」とは、言うまでもなくMF大島僚太のことである。

ヴィッセル戦では圧巻のプレーを見せた大島僚太ヴィッセル戦では圧巻のプレーを見せた大島僚太 キャプテンの言葉どおり、この日の大島は出色の出来だった。

 神戸の2ボランチを引きつけるように、巧みなポジションを取る中村の動きを利用し、大島はボランチの位置からスルスルと前線へ進出。次々にチャンスを作り出した。

 大島自身、基本的には「安全に(プレーしよう)という意識はある」と話すように、悪いときの大島はボランチの位置にとどまったまま、ただパスをさばくだけのプレーに終始してしまいがちだ。

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