2016.05.13

新連載スタート! FC岐阜・恩田元社長から届いたJへの伝言

  • 恩田聖敬●文 text by Onda Satoshi

FC岐阜・恩田社長の600日 ~Jリーグ地域クラブへの伝言~
 第1回 プロローグ 

2014年、就任会見をする恩田聖敬社長。(C)kaz photography 「今月いっぱいで今の会社を辞めて、Jリーグチームの社長をやってみないか?」

 こんな風に言われたら、みなさんならどうしますか? ゲームの話ではなく、現実世界の話です。引き受けますか? 尻込みしますか? 私はこの大役を、仕事の内容も大してわからぬまま、ふたつ返事で引き受けました。

 自己紹介します。サッカーJ2リーグFC岐阜の運営会社、株式会社岐阜フットボールクラブの前代表取締役社長、恩田聖敬(さとし)です。私は、FC岐阜に来る前は、東京でファイナンシャル事業を国内外で展開する、Jトラスト株式会社に経営戦略部長として勤めていました。Jトラストの代表である藤澤信義は、現在のFC岐阜の筆頭株主です。藤澤は、過去から現在に至るまでさまざまな形で、FC岐阜を支えていますが、金銭的援助だけでは不十分。経営のできる人的支援を考えます。その結果、岐阜県出身で、サービス・エンタメ畑で働いてきた私に白羽の矢が立ちました。こうして、2014年4月に、J1・J2の中で最年少、35歳の社長が誕生したのです。

 私のこれまでの人生は本当に恵まれていたと思います。学生時代を含めて、数多くの出会いがあり、常に本気で打ち込むことがありました。仕事を始めてからも、とにかくがむしゃらに働きました。その甲斐あってか、30歳から取締役として経営に参画するチャンスを与えてもらいました。綺麗事ですまない世界を垣間見て、たくさんの失敗をして、逃げ出したくなる気持ちを抑えて仕事をしてきました。苦しい一方で、自ら意思決定する楽しさや、仕事を通じて成長している実感を得られるなど、得難い経験をさせていただきました。