2016.03.11

小笠原満男の大志「被災地から多くのJリーガーを生み出したい」

  • 佐野美樹●文・撮影 text&photo by Sano Miki

 サッカーを通して被災地への支援活動を行なっている『東北人魂)』。年明け恒例となった東北地方でのチャリティーイベント開催は、今年で5年目を迎えた。同イベントは毎年、新たな被災地でも開催されており、今年は福島県南相馬市で初めて行なわれた。その地が新たに選ばれた理由は明快だった。鹿島アントラーズの小笠原満男が語る。
※鹿島アントラーズの小笠原満男、遠藤康、柴崎岳、ガンバ大阪の今野泰幸ら、東北六県出身の現役Jリーガー有志が設立した団体。東北地方のサッカー発展のため、東北サッカー協会及び東北各県のサッカー協会の活動へ寄与することを目的とし、各選手の所属クラブ、日本サッカー協会及びJリーグと連携しながら活動している。主な活動内容は、被災地の子どもたちのJリーグ公式戦への招待、東北地方でのサッカーイベントや大会の開催、チャリティーオークションの開催など。

「福島県は、津波だけでなく、原発事故によって多大な被害を受けました。ただ、放射能汚染の影響もあってか、プロサッカー選手とか、著名人とかが現地に訪れて、サッカースクールなどのイベントが開催されることがなかなかない、という話を聞いたんです。そういう場所だからこそ、逆に『行きたいな』と思ったんです」

 被災地でのイベントなどを取り仕切る関係者によれば、支援活動を行なっている著名人でも、放射能汚染による健康被害を懸念してか、福島県、とりわけ南相馬市に降り立つことは少ないのだという。「じゃあ、僕らが行きます」と、小笠原は即答したそうだ。

 南相馬市には、仙台から車で向かった。福島県に入ると、普通の道路では見かけることのない標識がところどころに現れ始める。それは、放射線量を表示する掲示板だった。のどかな山間部に突如現れるその標識を目にすると、放射線量の数値が問題ないレベルであったとしても、一瞬身構えてしまう自分がいた。