2016.03.14

3強を抜いた川崎フロンターレが見せる、最もモダンなサッカー

  • 木崎伸也●文 text by Kizaki Shinya
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 たかが3試合の順位に一喜一憂していたら、サッカーの鬼が笑う。まだとても優勝争いを論じられる段階ではない。それでも、川崎フロンターレが7年ぶりの単独首位に立ったことには、何かしらの意味がありそうだ。

 今、フロンターレが、らしくない"しぶとさ"を見せている。開幕戦で王者サンフレッチェ広島に1-0で勝利すると、続く湘南ベルマーレ戦はアディショナルタイムに追いついて4-4で引き分け。第3節には名古屋グランパスに3-2で競り勝った。唯一の負けなしチームだ。

 昨季は攻撃がうまくいかないときに、イライラして自滅している印象があったが、今季はそういうメンタル面の波が見られない。「交代が遅い」と言われ続けてきた風間八宏監督の采配も、すでに3試合中2試合でハーフタイムに選手交代が行なわれ、90分間ダイナミズムが失われない。いったいフロンターレで何が起こっているのだろう。

J1リーグファーストステージ第3節を終えて、首位に立った川崎フロンターレ まず注目すべきは、守備の"凄み"が増していることだ。

 それは、日本代表のハリルホジッチ監督が3月上旬のミニ合宿で選手たちに伝えた、この言葉からも読み取ることができる。

「Jリーグでゾーンプレスをやっているのは、湘南と、川崎がときどきやるぐらいだ」

 誤解されがちだが、風間監督は就任以来、ずっと守備に取り組んできた。選手たちの攻撃マインドを弱めないために、あえてメディアには"守備練習をしていない"という印象を植えつけただけなのである。守備練習をするときには、わざわざメディアが少ない週明けの練習(主に火曜日)を選んでいたほどだ。

 特に力を入れ始めたのが、就任2年目となる2013年(FW大久保嘉人が加入したシーズン)だ。ピッチを複数のブロックに分割し、ひとりひとりが割り振られたゾーンに絶対にパスを通させない、という文字どおりの「ゾーンディフェンス」だ。