福田正博が読む2017年のハリルジャパン。
W杯への道は見えているか (3ページ目)
もちろん、彼らがいつ所属クラブでポジションを失うかは、誰にも予測できない。ただ、選手というものは常に故障というリスクを抱えているものだ。本田や香川といった不動のレギュラーを招集できない状況を想定したマネジメントもすべきだった。
そうした日本代表の苦境を救ったのが、原口元気であり、清武弘嗣だった。代表でのレギュラー獲りに貪欲な姿勢を見せていた原口は、W杯アジア最終予選の第2戦のタイ戦から、前半戦最後の試合となった第5戦のサウジアラビア戦まで公式戦4試合連続ゴールの活躍。清武も新シーズンを新天地のセビージャで臨むという高いモチベーションで迎え、代表でトップ下を任されると、攻撃の中心としてリズムを作り出した。
原口と清武が巡ってきたチャンスで結果を残したことで、日本代表に新陳代謝がもたらされたのは間違いない。これは、ハリルホジッチ監督が狙っていたものではなく、苦肉の策で打った手が結果的に凝り固まっていた日本代表の停滞に風穴を開けただけに過ぎない。それでも、日本代表はようやく次のステップアップに向けて競争原理が働くチームへと変わりつつある。この流れをハリルホジッチ監督が、どう生かしていくのか。
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