佐藤寿人、通算157ゴールで育んだ「ストライカーの矜持」 (4ページ目)
では、ゴールを奪うためにもっとも必要なものは何か――。そのシンプルな問いに、佐藤はこう答えている。「責任感、ですかね」と。
「誰かが決めてくれるのを期待するのではなくて、自分が決めなくてはいけない。その気持ちを持ってプレーできるかどうかが、このポジションで戦う選手にとって一番大事なものだと思います。やっぱり僕が求められているのは、なによりもゴールですから。その仕事に対する責任はありますし、結果を出せなければ、批判されてもしょうがないという覚悟はありますよ」
はたして今の日本に、これだけの覚悟を持ってプレーしているフォワードはどれだけいるのか。まさに職人の域に達するゴールへのこだわり。積み重ねてきた得点の数が、ストライカーとしての矜持を物語っている。
今年は記録ずくめの1年だ。6月20日にはJ2時代の50得点を含めたJリーグ通算得点が200に到達。7月29日には前人未到の11年連続ふたケタ得点をマークした。そして、11月22日の湘南ベルマーレ戦で、ついにJ1通算最多得点記録に並んだ。ちなみにナビスコカップの歴代最多得点記録保持者も、佐藤寿人である。
たしかに代表シーンでは、目立った活躍ができなかったかもしれない。しかし、この小柄なストライカーが、Jリーグ史に残る“最大のレジェンド”であることに異論はあるまい。
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