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柏・工藤壮人が語る「ACLはJリーグと何が違うのか」 (5ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

「会議で、お前のトップ昇格が決まったよ」

 吉田監督からそう告げられた。前日のガンバ大阪ユース戦、「得点したら昇格」という条件が設定されていたという。工藤は、決勝点を叩き込んでいた。部屋に戻ってチームメイト全員で映画のビデオを見たが、いつもはマイペースを崩さない若者も映画のタイトルや内容は覚えていない。

<自分のゴールがチームを決勝に導き、プロ契約を勝ち取った>

 その事実が、印のように工藤の心と体に刻まれた。プロ入り以来、彼はゴールによって運命を切り拓いてきたし、それはこれからも変わらない。逆説すれば、ゴールができなくなったら、行く手は閉ざされる。過酷な世界だが、彼は臆してはいない。その視線は、世界の彼方を捉えている。

「“世界”というところは強く意識しています。高いレベルの場所でやってみたい、という気持ちは常にあって。そうした向上心があるからこそ、レイソルでもゴールができるんです。だから欧州移籍というのは当然、視野に入れていますよ。今はただ、そういう形になったとき、自分のすべてをぶつけられるように」

 世界に打って出る野心を秘める工藤にとって、ACL出場の権利が最後に手に入ったことは戦果だった。ACLは2012、2013シーズンに続いて3度目の出場。ACL通算9得点は日本人選手第2位で、得点率(出場1試合あたりの得点)の高さはトップだ。

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