日本代表、決定力不足解消のための2つのアプローチ (2ページ目)
しかし、UAE戦では相手GKが活躍したわけではなかった。ビッグセーブで防がれたシュートは1本もなく、PK戦もGKが止めたわけではない。ここから浮かび上がるのは、日本代表の決定力不足はシュート精度の低さに原因があるということだ。
シュート精度を高めるには個々の選手が練習し、技術を磨き、確率を向上させなくてはならない。ただ、これは一朝一夕で成果が出るものではない。それだけに育成を含め、長いスパンで取り組む必要がある。
また、個のシュート力を向上させるほかにも、ゴール数を増やす方策はある。現在の日本代表の決定力が、シュート数35本に対して1ゴールという確率しかないならば、もっと多くのシュート機会を作れば得点は増えることになる。単純にシュート数が2倍になれば、得点も2倍という考えだ。
現実的ではないと受け取られるかもしれないが、いつ成長するかわからない個の決定力を待つよりは建設的であると思うし、実際日本は、オシム監督時代はこうした「決定機を増やす」という考えをもとに、決定力不足解消に取り組んでいた。
同時に、シュートチャンスを増やしてゴールにつなげるためには、セットプレーをもっと重視すべきと私は考えている。これは直接フリーキックだけを指すのではなく、間接フリーキック、コーナーキック、そしてPKも含んでいる。
よく「流れのなかの得点」「セットプレーからの得点」と分けて言われるが、どんな形からであれ1点は1点、ゴールであることに違いはない。
サッカーの得点は、約3割がセットプレーから生まれると言われ、実際、ドイツ代表はセットプレーを磨いたことでW杯ブラジル大会の優勝につながった面があると私は思う。
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