日本代表、決定力不足解消のための2つのアプローチ
緊急特集「よみがえれ! 日本サッカー」(2)
福田正博が提案する「35分の1からの脱却」前編
日本代表は監督が交代することになり、誰が次の監督になるかに注目が集まっている。代表強化に直結する事案だけに、話題がそちらに移ることは仕方がないが、アジアカップの敗因をしっかり考察し、課題を見つけて改善することを疎(おろそ)かにしてはならない。それこそが、日本サッカー全体が前進していくために重要なことだからだ。
では、なぜ連覇を狙ったアジアカップでUAEに敗れたのか(1-1。PK4-5)。
試合内容に限れば、アジアカップ期間中に最も安定した戦いを見せたのは日本代表だった。グループリーグ、決勝トーナメントともに圧倒的な力の差を見せた。
アジアカップで1得点に終わった香川真司。試合後に頭を抱えるシーンも それでも準々決勝で敗れたのは、決定力不足に尽きる。UAE戦で日本が放ったシュートは35本。だが、シュートがゴールマウス内に飛ぶことはほとんどなかった。UAE戦だけではなく、グループリーグ初戦のパレスチナ戦(4-0)、2戦目のイラク戦(1-0)、3戦目のヨルダン戦(2-0)でも決定的なチャンスを外すシーンが多く見られた。
1、2戦目でゴール数を稼いで得失点差を増やすことができなかったことで、3戦目もベストメンバーで臨まざるをえなくなり、日程の厳しい大会で疲労が蓄積した。その結果、コンディションを落とすことを招いたといえる。
サッカーでは相手を一方的に押し込みながらも、得点が決まらないことがある。ただし、そうした試合展開では、相手ゴールキーパー(GK)がビッグセーブを連発しているものだ。たとえば1996年アトランタ五輪で日本がブラジルに勝利した時は、日本のGK川口能活が何度となくビッグセーブを見せた。
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