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私なら、豊田陽平をザックジャパンの「ジョーカー」に選ぶ (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 もちろんそれは、味方のクロスやシュートに対して、常に豊田はゴール前に顔を出して、準備しているからでもある。ゴール前に100回飛び出していっても、1回、もしくは2回くらいしかチャンスはこないかもしれないけれども、そういう動きをし続けられるのが豊田の特徴でもあるから、そこは今後も継続していってほしいと思う。

 そうやって、豊田はJ1で2年連続して、年間を通して結果を出してきた(2012年=19得点、2013年=20得点)。そして、今季もコンスタントにゴールを決めているからこそ、日本代表入りを待望される。ゆえに、今回の代表候補キャンプ(4月7日~9日)に呼ばれるのも当たり前のことで、ザッケローニ監督も、豊田のプレイスタイルにしても、人間性にしても、よくわかっていると思う。

 そういう意味では、豊田に関しては、今回のキャンプで特別何かをアピールする必要はないと思っている。W杯メンバーに入れるかどうかのボーダーライン上にいるかもしれないが、あまり深く考えず、チームでやっているプレイをそのまま代表でもやればいい。

 おそらく代表では、前線の豊田にどんどんボールを預けてくるだろうから、そのボールを失わずに、シンプルにはたいて、味方にスペースをあけてあげるという動きを繰り返せばいいと思う。うまくチームの歯車になって、攻撃のリズムを作ってあげれば、難なく合格点を得られるのではないだろうか。

 守備にしても、申し分ない。鳥栖では相当ハードに動いているが、代表の1トップ候補である、柿谷曜一朗や大迫勇也は、あそこまで精力的には動いていない。豊田は今のままで、代表で求められることは十分にこなせるはずだ。

 そう考えれば、W杯メンバー入りを果たしても何ら不思議ではない。実際、攻撃陣に"ジョーカー(切り札)"という枠があるとすれば、豊田はセレッソ大阪のMF南野拓実と、現状一番手争いをしていると思っている。他の選手との兼ね合いもあって、チームのバランスをどうとるかにもよるが、もし自分が代表のスタッフだったら、"ジョーカー"的な役割として、間違いなく豊田を推すだろう。

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