四国初のJ1クラブ・徳島が、来季波乱を巻き起こす?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 ついに四国初のJ1クラブが誕生した。

 来季J2からJ1に昇格する3つ目のクラブを決めるJ1昇格プレイオフ。その決勝で徳島ヴォルティスが京都サンガを下し、ガンバ大阪と、ヴィッセル神戸に続いて、J1昇格を決めた。

京都に2-0で勝利し、J1昇格を決めた徳島。試合後、サポーターと歓喜の瞬間京都に2-0で勝利し、J1昇格を決めた徳島。試合後、サポーターと歓喜の瞬間「今日は出来過ぎくらいに、選手がよくやってくれた」

 試合後、小林伸二・徳島監督がそう語っていたように、徳島は狙い通り、いや、狙い以上の理想的な試合で勝利を収めた。

 引き分けの場合、リーグ戦上位のクラブがJ1昇格を手にするというルールがあり、徳島は絶対に勝利しなければいけなかったこの試合(京都はシーズン3位、徳島は4位)。先に失点しては苦しくなる徳島は守備を重視し、「相手をゼロに抑えて、少ないチャンスで得点する」(FW高崎寛之)のが狙いだった。小林監督は「前半に得点できるとは思っていなかった」と、後半勝負を思い描いていたことを明かす。

 ところが39分、この試合で徳島が初めて得たコーナキックからDF千代反田充が頭で決めて先制。すると、「1点目を取って少しほぐれた」(小林監督)という徳島は、直後の43分にカウンターからFW津田知宏が追加点を奪って、さらにリードを広げた。

 こうなると、焦るのは京都のほうだ。「2点差になって慌てた」とは、大木武・京都監督の弁。結局、京都は反撃に出るどころか、ミスを連発して自滅。試合は2-0のまま終了し、徳島が歓喜の瞬間を迎えた。

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