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U-17W杯開幕。ベスト8の壁を越えられるか? (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki photo by AFLO

 2020年東京五輪の男子サッカーが現行通り、オーバーエイジ枠を除いて23歳以下の大会として行なわれるならば、7年後の大会に出場資格があるのは1996年以降に生まれた選手ということになる。そんな東京五輪世代が、このチームに6人含まれているのである。しかも、ボランチとして攻守のつなぎ役を務める鈴木徳真(前橋育英)をはじめ、三好康児(川崎U-18)、小川紘生(浦和ユース)のレフティコンビなど、多彩なタレントが揃うだけに、2020年への期待も膨らませつつ今大会を見るのもおもしろいだろう。

 注目の日本のグループリーグは、対戦順に10月18日のロシア戦、21日のベネズエラ戦、24日のチュニジア戦と続く(すべて現地時間)。単純に顔ぶれだけを見ると、前回大会よりも楽なグループに入った印象を受けるが、この年代はA代表における力関係がそのまま当てはまるとは限らない。

 実際、ロシアは今大会の予選を兼ねたU-17ヨーロッパ選手権を制しての出場。ベネズエラにしても古豪揃いの南米において、近年、特に育成年代でメキメキと力をつけてきている新興勢力だ。チュニジアも含め、侮れない相手ばかりであり、まずはここを確実に突破することが、目標である「ベスト4進出」の第一歩となる。

 吉武監督が「ベスト4」を目標に掲げるのには、ただ前回大会以上の成績ということだけが理由ではない。ベスト4に進出できれば、準決勝に勝つと決勝が、負けたとしても3位決定戦があり、今大会最多の7試合を戦うことができるのだ。つまり、日本サッカーの将来を担う若い選手たちに貴重な経験を1試合でも多くさせたいというのが、育成をも重視する指揮官の思いである。

 U-17日本代表が目の肥えたメキシコのファンに大きな喝采を浴びてから2年――。果たして今回のチームは、どんなサッカーを見せてくれるのだろうか。2年前を上回るワクワク感が味わえることを楽しみにしている。

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