U-17W杯開幕。ベスト8の壁を越えられるか?
17歳以下のナショナルチームが世界一を争う大会、U-17ワールドカップが10月17日、中東のUAEで開幕した。
2年に一度開かれるこの大会、4大会連続での出場となる日本は、2年前の前回大会でベスト8進出を果たしている。この成績は日本開催だった1993年大会に並ぶ過去最高成績。U-17日本代表を率いる吉武博文監督は今大会に臨むにあたり、前回を上回る「ベスト4進出」を目標に掲げている。吉武監督自身、この大会で指揮を取るのは2年前に続いて2回目。世界レベルの戦いがどういうものであるのか、すでに経験しているのは頼もしい。
いよいよ17歳以下のワールドカップが開幕する。注目は162センチのFW杉本太郎だ まずは、前回大会を簡単に振り返っておこう。
南野拓実(C大阪)、石毛秀樹(清水)らを擁した2年前の日本は、グループリーグで過去にこの大会で優勝したことのあるフランス、同じくベスト4に進出したことのあるアルゼンチンと同組になりながら、見事に1位突破。4-3-3の布陣からテンポよくパスをつないで崩し切る攻撃は、現地メキシコでは「このチームはまるでバルセロナのようだ」とまで評された。そして、決勝トーナメント1回戦はニュージランド相手に6-0で圧勝。さらに臨んだ準々決勝では、ブラジルに2-3と惜敗したものの、攻撃的なパスサッカーは高い評価を得た。
吉武監督はこの年代の指導者らしく、「勝つ」ことだけでなく、「育てる」ことも忘れてはいない。レギュラー組と控え組という明確な区別はせず、前回大会では控えGKも含め、登録選手21名全員を試合に出場させている。吉武監督に言わせれば、「それが勝ち上がるためにベストの手段だった」からであって、「ただ経験を積ませるために全員を使ったわけではない」ということだが、いずれにしても、その姿勢は今回のチームでも変わることがない。
前回大会以上の成績を狙う吉武監督は当然、一歩先に進むべくチーム作りを進めてきた。そんな指揮官が強調するのは、「相手をよく見ろ」ということだ。
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