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【ワールドカップ】サッカー日本代表を名将たちはどう見たか ファン・ハール、クロップ、フリック... (2ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Akiko Tonegawa

【カフー「欠けている小さなディテール」】

「今の日本は、かつてのドイツ代表を思わせる。無駄がなく、効率的で、相手の小さなミスを見逃さない。私はそういうサッカーが好きだ」

 ドイツサッカーは長年、組織力と規律の象徴だった。その国の名将が、日本をかつてのドイツ代表になぞらえた意味は決して小さくない。

 つまり、日本は「アジアで一番のサッカー」をしているのではない。世界最高峰のサッカーが求める原則を、最も忠実に体現する代表チームのひとつとして見られ始めているのである。

 かつて日本は、世界から研究される立場ではなかった。しかし今はその育成システム、選手教育、戦術、そしてサッカー文化そのものを、多くの国が参考にしようとしている。これは日本サッカーにとって大きな転換点と言っていい。日本はもはや世界を追いかける立場ではなく、「研究する価値のある存在」として見られ始めているのである。

 これほど多くの賛辞を集めた日本代表だが、もちろん、世界のサッカー人たちは決して手放しで称賛して終わったわけではない。むしろ、その評価が高いからこそ、誰もが同じ問いを口にする。

「なぜ、このチームは決勝トーナメントの壁を越えられないのか」

 そしてその答えもまた、不思議なほど共通していた。

 ブラジル代表のレジェンド、カフーは筆者が問うと、その差はそれほど大きなものではないと言った。

「ワールドカップのような大きな大会で、いいチームと優勝するチームとの差は、本当に小さなディテールなんだ。そして、まさに日本にはそれが欠けている」

「ディテール」のひと言には、多くの意味が込められている。試合の流れを読む力、勝負どころで時間を使う冷静さ、一瞬の判断、相手の心理を見抜く経験、そして苦しい時間帯でも試合を自分たちのものにしてしまうしたたかさ......。

 日本に必要なのは、大きな改革ではない。世界はすでに、日本が世界最高水準の組織力と戦術を持っていることを認めている。だからこそ求められているのは、その土台の上に積み重ねる「最後の数パーセント」なのである。

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