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サッカー日本代表に鳴り響く12年前の敗北からの警告 構造的欠陥を「自信」が覆い隠した (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Yoshiyuki Komiya

【ザックジャパンの構造的な欠陥】

 だがその後も、日本はまともに形を作れず、試合の流れは変わらない。

 ザックジャパンの狙いは、高い位置で攻撃を続け、枚数を懸けて押し込み、ショートパスを使って機動力で上回ることだった。端的に言えば、本田、香川真司、長友らを左サイドに集め、攻撃の枚数を増やして崩し、そこから逆サイドに振って岡崎慎司が決める、"左で作って右で仕留める"戦いを推し進めてきた。しかし、親善試合ではいざ知らず、ワールドカップの舞台ではそこまで押し込めなかった。

 その結果、「攻撃こそ防御なり」だったはずの守備のほうが崩壊した。後半に入って、62分にディディエ・ドログバを投入されて一気に守備が瓦解した印象だが、実際は彼にはゴールを決められていない。構造的な欠陥が出たのだ。

 64分に決められた同点弾は、攻撃に出たところで香川、本田のパス交換が乱れ、自陣でボールを失っている。この瞬間、1トップで左に流れていた大迫勇也は帰陣せず、スペースをカバーできていない。右サイドからのクロスには誰も行けず、プレッシャーをかけられなかった。そしてセンターバックの森重真人は簡単に前に入られ、ヘディングで失点を許した。

 攻撃の精度は低く、守備の約束事がなく、守備の強度も足りなかった。複数のミスが連鎖していた。必然の失点だったのである。

 66分の逆転弾も、香川は相手からのロングボールにもっと早く反応し、プレスバックしておくべきだった。しかし後手に回ったせいで、またもボールホルダーに制限がかけられていない。また、2列目から入り込む選手を山口蛍が見逃してフリーにしており、ドログバが前線に入った混乱もあっただろうが、単純なクロス一発で仕留められている。

 香川は本来的にサイドアタッカーではなく10番タイプのパサーで、自然とトップ下のポジションをとることになった。結果的に、ポジション的な不具合が出るのは避けられなかったと言える。ザッケローニの狙いがパスサッカーに特化したことで、守備に回ったときはそのスペースが狙われていたし、カウンターの攻撃も生まれにくい構造だったのである。

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