【サッカー日本代表】U-20ワールドカップ・べスト16止まりの現実 オリンピックにつながる材料は見つかったか (2ページ目)
【得点の形はまったく見えず】
反省が残るのは、PKを与えてしまったワンシーンだ。右のCBでプレーする喜多と右SB梅木の間で起きたプレーだった。
「手に当たったのは見ました。けど、あそこに至るまでにやることはあった。僕と梅木の間で挟んだ時にファウルでも止めるべきだったし、その前にあそこに行かせないようにするとか、大きくクリアできなかったのかとか......。ハンドは仕方ないことだけど、僕自身ファウルでも止めるべきだった。悔しいです」
ゴールが遠い攻撃陣を、後方からどう見ていたのか。
「前半からチャンスも多かったし、自分のヘディング(シュートのチャンス)もあった。『決めろ!』とは思っていましたけど、自分たちの役割はフォワードに点を決めさせることだし、相手にやらせないこと。『おい』ってなるのではなく『次、次』って感じにディフェンスライン4人はなれた」
喜多はそう振り返った。
決して耐えに耐えた長い120分ではなく、あっという間に時間は過ぎたという。つまり、苦しさのなかでプレーした120分では決してなかったということだ。それほど、日本ペースで進んだ試合だったのに、一発のPKであっけなく負けてしまった。
勝負は残酷で戦っていた選手たちが気の毒に思えるとはいえ、さほど驚く試合展開でもなかったのもまた事実。後出しのようではあるが、グループリーグ3試合の戦いぶりから想像できた結果でもあった。
というのも、3試合無失点の守備陣に手応えこそあれど、得点の形はまったく見えてこなかったからだ。
3試合のなかでPKのチャンスが3回あった一方で、クロスは入らず、相手を崩して得たチャンスもなし。相手のミスからのゴールや、ミドルシュートでの得点だった。だからこそ、押しても押しても点が入らず、最終的に唯一に近いチャンスを決められる、もしくはPK戦に突入する、という展開は想像できた。
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