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【サッカー日本代表】CB喜多壱也はレアル・ソシエダ期待の原石 U-20ワールドカップで「優勝したい」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【川﨑颯太の言葉が後押し】

 海外移籍に対するハードルが下がった昨今において、「迷った」という話はわりと珍しい。喜多の場合は迷ったものの、長く海外でプレーした奥川雅也や山田楓喜といったチームメイトが後押ししてくれたという。

 なかでも、同じく今夏にドイツ・マインツへの移籍が決まった川﨑颯太の言葉が喜多の背中を押した。

「颯太くんとしゃべってる時に、冗談まじりですけど、『行ってあかんかったらそのレベルやったってことやし、(戻って)また成長していったらええやん』っていうのを気軽に言ってくれた部分があって。僕はその言葉に、すごい救われたっていうか。海外に行くなら絶対に成功したいっていう気持ちがあったけど、そう言ってくれたおかげですごく気がラクになった」

 ソシエダでも、U-20ワールドカップでも、喜多は自身のストロングポイントを最大限に発揮したいと考えている。

「絶対に負けたらあかんのは、高さやと思う。でも、自分が最も得意としているフィードの部分でも負けたらあかんと思うし......って、今大会まだ通せてないですけど。もっともっと、通していかないとあかんって思います」

 そう言って、喜多は表情を引き締めた。

 最後に「夢や目標は?」と聞くと、もっとも近い目標を口にした。

「U-20ワールドカップ優勝が一番です。このメンバーで少しでも長く戦いたい」

 これから世界に羽ばたこうとしている20歳の喜多壱也が、まずはチリでの活躍を誓った。

著者プロフィール

  • 了戒美子

    了戒美子 (りょうかい・よしこ)

    1975年生まれ、埼玉県出身。2001年サッカー取材を開始し、サッカーW杯は南アフリカ大会から、夏季五輪は北京大会から現地取材。現在はドイツを拠点に、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材中。著書『内田篤人 悲痛と希望の3144日』(講談社)。

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