サッカー日本代表の親善試合の勝敗に一喜一憂するな 福田正博がワールドカップへの準備に期待すること (3ページ目)
【すべて来年の本番を見据えて戦っていく】
10月の親善試合は、パラグアイ代表(10月10日/パナソニックスタジアム吹田)、ブラジル代表(10月14日/東京スタジアム)を迎える。ブラジル代表、日本代表ともにヨーロッパ組が多く、時差と移動距離の兼ね合いからベストコンディションを望むことは酷なものの、条件は両チームとも同じ。そのなかでW杯王者に5度輝いたFIFAランク5位のブラジルをどう攻略するのか。
個人的には、ブラジルの勝負強さを見せつけられる展開になることを期待している。
日本が勝利し、通算成績0勝2分け10敗のブラジルから記念すべき1勝目を飾り、選手たちに自信を深めてもらいたい気持ちはある。ただ、選手たちは親善試合の勝利に浮かれることはないだろうが、日本がブラジルに勝利してしまうと、日本サッカーを取り巻く雰囲気が有頂天になってしまうのではないか、という懸念があるのだ。
それだけに、日本としては強豪に対しての課題を手にする試合になってほしい。そのほうが来年の本番へとつながっていく気がする。
いずれにしろ、これからの親善試合はすべて来年の本番を見据えて戦っていくものになる。毎試合、勝敗に一喜一憂することなく、森保監督のもとで日本代表が何に取り組んでいるかを、しっかりと見つめていきたい。
著者プロフィール
福田正博 (ふくだ・まさひろ)
1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。
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