サッカー日本代表のメキシコ戦 序盤の優勢が「尻すぼみ」になっていったのはなぜか (4ページ目)
彼らの攻め上がりに蓋をする選手が見当たらなかったのだ。2列目の選手(あるいは2シャドー)が対峙するか、WBが対峙するか、その中間にボールを運ばれると、プレスはかからない状態になった。これで相手はひと息つくことができた。
メキシコの3トップは健在だ。1トップには一発を秘めた強力な選手が構えている。試合後、久保などが口にしたような楽観的な考えになれない展開となった。判定で言えば「やや日本優位」でも、惜しいチャンスの数では両者イーブンだった。1トップの力量差を考えると、日本は試合をかなり押さないと勝てない。このメキシコ戦は、そういう意味で心配になる試合だった。
著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。
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