サッカー日本代表で初アシストの三戸舜介「充実した10日間。久保くんは本当に存在するんだ」 (2ページ目)
【代表定着に向けてライバルは?】
ただ、そうはいうものの、代表初先発となった三戸は立ち上がりから気を吐いた。3-4-3の左ウィングバックでプレー、開始15分で初アシストを記録する。
左サイドで抜け出した三戸は、鎌田大地からのパスを受けると、ペナルティエリア手前から右足クロスを選択。ゴール前に走り込んだ鎌田がそのクロスを頭で合わせ、先制点となった。
「練習中からインスウィングのクロスで得点もあった。練習の形が試合で出てよかった」
三戸は安堵の表情を浮かべた。
また、武器である切れ味鋭いドリブルも見せた。
「(鈴木淳之介など)後ろの選手たちがいい配球をしてくれたので、やりやすかったです。何もしなくてもボールが来るので、あとは仕掛けるだけだった。もっと仕掛けたかったですけど」
代表定着を考えると、三戸は複数ある攻撃的なポジションのいずれかで勝負することになる。左サイドであれば比較対象は三笘薫になるし、右サイドならば伊東純也や堂安律、中央のポジションでは南野拓実や久保建英らがライバルになってくる。
三戸の所属するオランダ1部のスパルタ・ロッテルダムと比べると、彼らは大きなリーグ、クラブでプレーしている。かねてから「みんなもっと上のリーグでプレーして活躍している。このクラブにいて代表に行けるとは思えない」と、極めて冷静に、まずは所属クラブからステップアップすることが必要だと口にしている。
とはいえ、今回代表に初めて招集されたことで、スパルタ・ロッテルダムにいても森保一監督からウォッチされていることを実感できたという。
「これまであまり代表は意識してなかったですけど、どこかで見てもらっていることがわかった。なので、あらためて自チームでがんばっていきたいなと思います」
5大リーグのトップレベルで活躍し、タイトルを獲得する選手も珍しくなった今、ただ海外に行っただけでは「日本代表に近づいた」とは言いがたい。監督をはじめコーチ陣やスタッフによるクラブ視察にもマンパワーの限界があり、小さなクラブでプレーする選手のところまでは目が行き届かないこともある。
だからこそ、これまで三戸は日本代表を意識できない側面があった。しかし今回、若手主体のラウンドであったとはいえ、招集されたことに大きな意味がある。
2 / 3