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サッカー日本代表海外組の今シーズンを福田正博が評価 最もインパクトを残したのは?

  • text by Tsugane Ichiro

福田正博 フットボール原論

■ヨーロッパのサッカーシーンで多くの日本人選手がプレーするようになり、今季は各チームで存在感のある活躍をした選手が多かった。そんな充実のシーズンを送った選手たちを福田正博氏が評価する。

今季プレミアリーグで二桁得点を記録した三笘薫 photo by Getty Images今季プレミアリーグで二桁得点を記録した三笘薫 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る

【チームの中心的な働きを見せた佐野海舟】

 パリ・サンジェルマン(PSG)がUEFAチャンピオンズリーグ決勝でインテルを5-0で下し念願の初優勝を遂げた。PSGはリーグアンでは4連覇、フランスカップも制して3冠を達成している。

 プレミアリーグはリバプールが5シーズンぶりに優勝。ラ・リーガではバルセロナが優勝して、国王杯との2冠達成した。そして、ブンデスリーガはバイエルン、セリエAはナポリが制した。日本人選手たちも、それぞれの所属クラブで存在感を発揮したシーズンだった。

 そのなかで最もインパクトを残したのは、佐野海舟だろう。鹿島アントラーズからブンデスリーガのマインツへ移籍した1年目にしてリーグ戦34試合にほぼフル出場。前年13位から6位へとステップアップを果たしたチームの中心的な働きを見せた。

 守備的MFの佐野の持ち味は、豊富な運動量とリーグ最多のデュエル勝利数やインターセプト数を記録したボール奪取能力の高さ。それに加えて相手ゴール前へと出ていったり、ドリブルで仕掛けられるところも評価している。シーズンを通じて得点こそなかったが、前線に出ていく姿勢が味方のゴール前でのチャンスにつながっていた。

 日本代表にいつ招集されてもいい納得のパフォーマンスを見せ、森保一監督も常にタイミングを見計らっていたはずだ。佐野が加わることで日本代表がどう進化するのかは今後の楽しみ。W杯に向けてもう1シーズンはマインツでプレーしながら、日本代表での地位を確立してもらいたいと思う。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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