なでしこW杯優勝メンバー、近賀ゆかりが最後の地・広島に残したもの「私が私じゃない...でもそれがここに来た理由なんだ」 (3ページ目)
――そんなレジーナの成長を一番感じたのは?
近賀 最初は既存のチームに追いつこうと"成長"がキーワードだったんです。それが勝たなきゃいけないチームになってきたんですよね。そういうメンタルに変わったのは、(2023年の)カップ戦を獲ったところで自信がついて、そのあとの(2024年のカップ戦)2連覇が大きかった。あとは観客数が伸びたこと。この2つで勝たなきゃいけないっていう風にみんなが思えたんです。
――2023年のカップ戦前に柳瀬楓菜選手が「このカップ戦、本気で獲りにいきたい!」って近賀さんに言いに行ったと言っていました。こういう行動ひとつにも、いつも近賀さんとGK福元美穂選手が言っている、"誰かがやるんじゃなくて、自分がやる意識を持て"っていうものが根付いたところだと感じました。
近賀 それは感じましたね。でもその面で言うと、完全に福ちゃんの影響です。私は気が回らないから(笑)。あの人はスゴイですよ。本当にどれだけ助けられたかわかりません。
――今さらですけど、近賀さんにとって付き合いの長い福元選手ってどんな存在ですか?
近賀 どんな存在か、ひと言では表わせないですね。本当に真逆なんですよ。ただ福ちゃんだったから、みんなから「2人がいたから」と言ってもらえるようになれたんです。あの人がいなきゃ、私は成り立ってないと思っています。それこそ、何を伝えるのかってことも2人で話しました。今は昔と違ってみんな怒られてきていない子も多いので。福ちゃんは記憶力もめっちゃよくて、私は抜けているから全部記憶をカバーしてもらっていました(笑)。
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