谷口彰悟がリハビリ中にダントツでうれしかった瞬間とは 「芝生の匂いを嗅いだ」 (4ページ目)
【以前の自分よりも強くなる】
日本代表が2026年ワールドカップ出場を決めた3月20日のバーレーン戦を見に、埼玉スタジアムへ足を運んだことも刺激になった。
スタンド席からワールドカップ出場を決める瞬間を見届け、心の底から「おめでとう」と思うと同時に、自分もまた、あのユニフォームを着たい、あの輪に入りたいという思いがより湧き上がってきた。
これから、メンバー入りをかけたサバイバルが始まる。日本代表の活動も、より本大会を意識したものになっていくことだろう。
自分もその競争に再び加わっていきたいと思うと同時に、ワールドカップに出場するという目標を叶えたいし、チームが目標としているワールドカップ優勝という目標にどうやって貢献できるかを考えて、日々を過ごしていきたい。
33歳にしてアキレス腱を断裂するというケガは、自分にとって決して容易ではない試練だと思っている。
ピッチに立ってからも、コンディションがどれだけ戻るのか、また動きのキレをどれだけ取り戻していけるのかなど、戸惑うこともあれば、葛藤することもあるかもしれない。現時点でそのすべては未知数だが、そこに挑戦できるのも、乗り越えられるのも自分自身しかいない。
DFというポジション柄、常に最悪を想定して物事を考えていくだけに、全身全霊を捧げてもなお、かつての自分を取り戻すことはできないかもしれない。それでも今は、はっきりとこう思っている。
「以前の自分に戻すのではなく、以前の自分よりも強くなる。そうならなければ、ヨーロッパでも、ワールドカップの舞台でも、世界を相手に戦うことはできない」
そこに挑まなければ、自分の人生はおもしろくないし、見ている人や応援してくれる人たちに感動も与えられない。
◆第29回につづく>>
【profile】
谷口彰悟(たにぐち・しょうご)
1991年7月15日生まれ、熊本県熊本市出身。大津高→筑波大を経て2014年に川崎フロンターレに正式入団。高い守備能力でスタメンを奪取し、4度のリーグ優勝に貢献する。Jリーグベストイレブンにも4度選出。2015年6月のイラク戦で日本代表デビュー。カタールW杯スペイン戦では日本代表選手・最年長31歳139日でW杯初出場を果たす。2023年からカタールのアル・ラーヤンSCでプレーしたのち、2024年7月にベルギーのシント・トロイデンに完全移籍する。ポジション=DF。身長183cm、体重75kg。
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著者プロフィール
原田大輔 (はらだ・だいすけ)
スポーツライター。1977年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌『ワールドサッカーグラフィック』の編集長を務めたのち独立。Jリーグを中心に取材し、各クラブのオフィシャルメディアにも寄稿している。主な著書に『愛されて、勝つ 川崎フロンターレ「365日まちクラブ」の作り方』(小学館クリエイティブ)など。
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