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谷口彰悟がリハビリ中にダントツでうれしかった瞬間とは 「芝生の匂いを嗅いだ」 (3ページ目)

  • text by Harada Daisuke

【自分とサッカーは切っても切り離せない】

 この期間のことで、感謝したい人は数えきれないほどいるが、そのなかでも手術を担当してくれた武冨先生には、丁寧な手術と僕自身の心と体に向き合ってくれたことに、この場を借りてお礼を言いたい。

 JISSでのリハビリに、熱心に付き合ってくれたJISS坂光徹彦PT(フィジオセラピスト)、そして夢フィールドでのリハビリでは代表活動でもサポートしてもらっているJFA中條智志PTに、それぞれ本当に感謝をしている。僕の身体のクセを見極め、一つひとつ細かいトレーニングメニューを組んでくれたことで順調にリハビリを進めることができた。また、施設を使用させてくれたJISS、日本サッカー協会にもいくら感謝してもしきれない。

 自分がリハビリに集中することができたのは、本当に周りの協力があったからにほかならない。ただし、本当に恩返しができるのは自分が再びピッチに立ち、活躍してこそだと、今は気持ちを引き締めている。

 すでにベルギーに戻って、シント・トロイデンの練習に合流したように、少し前からトレーニングでは、いわゆるサッカーっぽい動きも増えてきた。それにより、再び自分がまたサッカー選手としてやっていくんだという、心と体のスイッチも入り、自分が再びピッチに立ってプレーする姿も具体的にイメージできるようになっている。

 今回、ケガをして、あらためて思ったことがある。

 安っぽく聞こえるかもしれないし、またはありきたりな言葉に聞こえるかもしれないけど、自分が「サッカーが好きなこと」を再認識した。

 ケガをした直後は、復帰する自分の姿をイメージできず、前述したようにサッカーをしたいと思うこともなかった。

 でも、左足の回復に合わせるかのように、自然と試合を見ている自分がいた。試合の結果や、見知った選手たちの活躍も気になるようになり、そこで自分にとってサッカーは切っても切り離せない、そしてかけがえのないものであることを実感した。

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