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サッカー日本代表はワールドカップにどう臨むつもりか 久保建英に救われたバーレーン戦 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

【同等以上の相手には採用しにくい作戦】

 そうした状況下で、森保ジャパンはどんなスタンスで本大会に臨むのか。サッカーの品評会という意味も持つW杯で、どんな色のサッカーを披露するつもりなのか。

 森保一監督の口から出る目標はこれまでの「ベスト8以上」から、いつの間にか「優勝」に変化した。目標は具体性を欠く夢にすり替わり、その分、果てしなく壮大になった。不鮮明になったと捉えることもできるが、方法論についての説明は一切ない。

 バーレーン戦のピッチ上にはベストメンバーが並んだ。森保監督はテスト色ほぼゼロの状態でこの一戦に臨んだ。立ち上がりに露呈した活気のなさは、モチベーションの低さそのものに由来すると見る。W杯本大会出場を決めた試合をこれまですべて見てきた筆者だが、選手から発せられる熱量は、過去最低と言えた。

 森保ジャパンが採用する3-4-2-1は、5バックになりやすいという意味で、数ある3バックのなかでも守備的度が高い。両ウイングバックに、4バック時のサイドバック系選手ではなく、三笘薫、堂安律というウインガーを据えても、本質に変わりはない。逆に彼らのウインガーとしての魅力を殺すことになる。両者は勤勉ではあっても、守備者としては一流ではないので、同等以上の相手には採用しにくい作戦だ。

 バーレーン戦の日本でイメージが重なったのは、俗に言うイタリアサッカーだ。守りを固めてカウンター。イタリアはカテナチオと呼ばれるこのスタイルで1990年代の後半まで、欧州の盟主の座に君臨した。なかには例外のチームもあったが、イタリアと言えば後ろを固めるカウンターサッカーと相場は決まっていた。

 この日、マン・オブ・ザ・マッチに選出された久保建英は、試合後の会見で「前半、堪えるところを堪え、後半、刺すところを刺す、強者の戦いができた」と胸を張った。

 だが、これはW杯でも通用する戦い方なのか。そもそも本当に強者の戦いなのか、怪しいと考える。久保が育ったバルセロナを中心とするスペインは、それとは180度異なる方法論で欧州のトップの座に就いている。

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