サッカー日本代表の4バックを見たい! 識者が展望するバーレーン戦&サウジアラビア戦のメンバー (2ページ目)
【出場経験の少ない選手にチャンスを】
小宮良之(スポーツライター)
この記事に関連する写真を見るFW/中村敬斗、町野修斗(前田大然)、堂安律(伊東純也)
MF/田中碧(遠藤航)、佐野海舟、鎌田大地
DF/町田浩樹、瀬古歩夢(渡辺剛)、板倉滉(高井幸大)、菅原由勢
GK/小久保玲央ブライアン
森保ジャパンは、8大会連続ワールドカップ出場に王手をかけている。3月、バーレーン、サウジアラビアのどちらかに勝てば本大会出場が決まる。勝利のために万全を尽くすべきだが......。
今の陣容は「史上最強」で、よほど相手を侮って采配をミスしなければ、アジアで負ける公算は低い。
ヨーロッパカップ戦を戦う選手の疲労を考慮に入れたら、主力には休みを与えるべきだろう。ヨーロッパリーグなどが佳境の久保建英を筆頭に、プレミアリーグで大車輪の三笘薫、負傷を抱える守田英正は"温存"すべき。伊藤洋輝、上田綺世のようにケガから復帰後でチャンピオンズリーグ(CL)の最中にある選手も無理をさせるべきではない。
同時に、チームの底上げも急務で、出場経験の少ない選手にチャンスを与えたい。「W杯出場がかかった試合で?」という反論はあるだろうが、負荷のかかった試合でなければ真価も見えない。少なくともバーレーン戦で出場を決めたら、総入れ替えすべきだ。
森保一監督は「石橋を叩いて渡らない」性格で、こうしたな賭けに出るとは思えず、3-4-2-1を譲らずに久保、三笘、守田などを頼って戦うことになるのだろうが......。
悲願のベスト8進出には、ふたつ分のチームが必要である。そこで、世界の強豪との一戦を想定し(3-4-2-1では攻められる時間に耐えきれない。三笘をウイングバックにするなど攻撃に回れず、守備で疲弊する)、4-3-3で選手を組んだ。
前線は好調な選手を抜擢すべきだろう。ブンデスリーガで7得点の町野修斗はカタールW杯後の招集はなく、今回は絶好の機会だ。また、CLでもゴールを重ねた前田大然の勢いは生かすべきか。堂安律、伊東純也、中村敬斗などドイツやフランスで得点を重ねている選手は、久保や三笘に迫れるか。
中盤は鎌田大地、遠藤航も所属先で出場機会が少ないだけに、招集自体は良薬か。ただ、ピッチには新鋭を立たせるべきで、イングランド2部で好調維持の田中碧は"遠藤の代役"の成否が試される。佐野海舟もブンデスリーガで安定した攻守で、その力を見極めたい。
バックラインは板倉滉を中心に、高井幸大や渡辺剛がバックアッパーになれるか。瀬古歩夢はパワー抜群で、左センターバック(CB)ができる貴重な人材。右足首ケガの状態は心配だが、CBもできる左利きの町田を左サイドバック(SB)に置いて、「いい守りからいい攻め」を固める。右SBは菅原由勢が高い位置を取れたら脅威を与えられるはずで......。
GKは鈴木彩艶への称賛が眩しすぎる。大器であるのは間違いないし、成長も見せている。ただ、今もボールのこぼし方や飛び出しの判断など波は激しい。本大会まで小久保玲央ブライアンと競わせるべきだ。
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