サッカー日本代表のインドネシア戦で4つのゴールが決まった技術&戦術的背景を林陵平が深掘り (3ページ目)

  • text by Sportiva

【交代出場の選手たちも活躍】

 後半も日本は2ゴール。

 49分の守田の得点は、前線からプレッシャーをかけたところで相手GKのキックミスを拾って決めました。ここは守田のファーストタッチがすばらしかったです。コントロールが決まったので、相手を見てしっかりかわしてシュートを打つことができました。

 もう1点は69分に交代出場の菅原由勢が決めました。これはインドネシアが後半から少し戦い方を変えたのが関係しています。基本的には5-4-1になるというよりも、5-2-3で日本の各選手をマンツーマンで捕まえにきました。

 得点シーンは、菅原が右サイドでボール持って伊東純也がタッチライン際に流れてきた時に、マークしていた相手の左CBがかなり食いついて自分の持ち場を離れた。そこで大きく空いた内側のスペースを菅原と伊東がシンプルなワンツーで突いて、菅原が抜け出しました。

 79分に旗手怜央と大橋祐紀が入りましたが、途中から代わった選手はゴールを挙げた菅原も含めすごくいいプレーをしていたと思います。特に旗手はゲームにうまく入れていましたし、後半の頭から左ウイングバックに入った前田大然も、守備の部分で本当にチームのためによく走っていました。

 少し気になったのは、伊東はやはりシャドーの選手ではないと個人的には感じました。もちろん中央でのプレーもできますけど、この3-4-2-1だと、彼はウイングバックのほうが縦へのスピードを活かせて得意なのかなと思います。ただ、これは菅原を右ウイングバックで出すために今回は右シャドーを試した部分があるでしょう。

 このような形でうまくゲームをコントロールしながら、日本は4-0で勝利しました。「日本、強かったな」というのと、最終的には本当に守田&鎌田がすばらしかった。あとは左CBの町田。「もう外せないでしょ!」というぐらい安定したプレー見せているので、今の日本にとって大きいのかなと思います。

 さらには遠藤ですね。この試合ではそこまでプレーに出てこなかったかもしれませんが、やはり彼がいることによって守田が動きやすくなるし、後ろのリスク管理のところを含めて、遠藤がいると中盤が安定してチームは引き締まるというのも感じました。

著者プロフィール

  • 林 陵平

    林 陵平 (はやし・りょうへい)

    1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。現在はプレミアリーグからJリーグまで幅広く解説を務め、トップランナーとして活躍中。

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