サッカー日本代表に一体感 佐藤寿人が実感した「長友佑都の存在の大きさ」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei

【熱狂ぶりに久保建英も「うらやましい」】

 彼らはリスクを取るというよりも、自信を持ってプレーしていましたね。インドネシアのこれまでの試合を見ると、うしろの人数を多くして、少ない人数で攻めていく形でしたけど、前半の立ち上がりは特に両ウイングバックが高い位置を取り、前線に5枚が並ぶ形を取っていました。

 そうすると縦パスの入るコースが多くなりますし、実際にそれがうまくつながるシーンもあった。そこで大声援が送られることで、それほどチャンスではなくても、大きなチャンスのように思えてしまう。スタンドの雰囲気がインドネシアの選手たちに幻想を抱かせ、それが積極性へとつながっていたんだと思います。

 スタジアムだけではなく、インドネシアのサッカー熱の高さというものは至るところで感じられました。日本でもそういった報道があったと思いますが、実際に現地に来てみると、想像以上の熱狂ぶりでした。自国の代表だけではなく、日本代表に対する関心度も高く、練習にも多くのメディアが訪れていました。

 ここまで国を挙げてサッカーを盛り上げてくれているのは、久保建英も「うらやましい」と言っていましたけど、僕自身も率直に同じことを感じました。

 試合の前日にはインドネシアサッカー協会の主催で、両国のメディア関係者同士の試合が行なわれました。キックオフは22時で、試合終了が24時。こんなところにもサッカーを愛する彼らの情熱が感じられました。ちなみに僕は途中から出場して、1得点2アシストを記録。"前哨戦"で5-1の勝利に貢献しました(笑)。

 話を戻すと、間延びした日本に対して、インドネシアのカウンターが脅威を与えていました。最初のピンチを鈴木彩艶が防いでくれましたけど、あそこで決められていたら、試合は難しくなったと思います。

 とはいえ、先手を取られても十分に巻き返せるとも思っていました。ゴール前のクオリティだったり、一つひとつのプレーの質というものは、やはり大きな差があると感じられたからです。実際に日本は徐々にリズムを取り戻し、前半のうちに2点を奪うことができました。

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