サッカー日本代表に一体感 佐藤寿人が実感した「長友佑都の存在の大きさ」 (4ページ目)
【上田綺世が不在のFWにも注目】
以前の日本であれば、立ち上がりの嫌な流れを断ち切れずにもっと苦しんだでしょう。下手したら勝ちきれなかったかもしれません。
しかし、嫌な時間帯でも点を与えず、要所でゴールを奪い、再び相手の時間となっても、相手の息の根を止めるゴールで突き放す。スコアほどの余裕のある試合ではなかったはずですけど、結果的には4-0の快勝ですからね。本当にすごいとしか言いようがありません。
11月19日には、再びアウェーで中国戦が控えています。ホームでは7-0と大勝しましたけど、今回は少なからず、アウェーの難しさはあるはずです。
森保一監督はこの2試合をトータルで考えていると思うので、インドネシア戦とはある程度メンバーを代えてくるでしょう。今回出られなかった選手にもチャンスが与えられると思うので、彼らのパフォーマンスに注目したいです。
ただ、前線の選択肢は豊富にある一方で、守田と遠藤航のふたりは、もはや替えの利かない存在となっています。ここは固定される可能性が高いでしょう。
少し贅沢かもしれないですが、特定の個人に依存せず、誰が出てもチームとして変わらぬクオリティを発揮できるところまでいってほしいなと、個人的には思っています。だから、藤田譲瑠チマにもチャンスを与えてほしいですね。
また、上田綺世が不在のFWにも注目しています。今回は小川航基がスタメンで出て先制点に絡むなど、まずまずのパフォーマンスを見せました。途中からは大橋祐紀が出場して、代表デビューを果たしています。
それに今回は、古橋亨梧が久しぶりに代表に招集されました。並々ならぬ意気込みで臨んでいると思いますし、危機感もあると思います。結果を出せば森保監督のチョイスに再び入ってくると思うので、FWの選択肢を増やすようなパフォーマンスを見せてほしいですね。
【profile】
佐藤寿人(さとう・ひさと)
1982年3月12日生まれ、埼玉県春日部市出身。兄・勇人とそろってジェフユナイテッド市原(現・千葉)ジュニアユースに入団し、ユースを経て2000年にトップ昇格。その後、セレッソ大阪→ベガルタ仙台でプレーし、2005年から12年間サンフレッチェ広島に在籍。2012年にはJリーグMVPに輝く。2017年に名古屋グランパス、2019年に古巣のジェフ千葉に移籍し、2020年に現役を引退。Jリーグ通算220得点は歴代1位。日本代表・通算31試合4得点。ポジション=FW。身長170cm、体重71kg。
著者プロフィール
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
【図】サッカー日本代表 識者が考察したアジア最終予選のベスト布陣
4 / 4