サッカー日本代表の印象をオーストラリア代表選手に聞く 「ワールドクラス」と高評価だったのは? (3ページ目)
最後に、そんな厳しい相手のホームからポイントを持ち帰れた最大の要因について、こう話した。
「集中力がもっとも重要な要素だったと思う。引いて構えて、特に逆足の両ウイングバックへの対応を注意した。彼らは中にも入ってくるし、切り返してからクロスを上げてきたりもする。ただ我々は要所を締め、ほぼ試合を通して、フォーカスし続けることができた。強豪を向こうに回すとき、研ぎ澄まされた集中力が不可欠になる」
後ろに人数をかけ、引いて守る戦術をどう捉えるか──。日本在住のあるオーストラリア人ジャーナリストは、「結果は手にしたが、これではつまらないし、先が思いやられる」と試合後に言っていたが、自身も現役時代はタフなセンターバックで鳴らしたポポビッチ監督は、就任会見で「どんなときも、醜く勝っていいのだ」と宣言していた。実際、記録したシュート数は1(日本は12)。それでも、ピッチ上で戦っていた選手たちは、新監督の手法を歓迎しているようだった。
著者プロフィール
井川洋一 (いがわ・よういち)
スポーツライター、編集者、翻訳者、コーディネーター。学生時代にニューヨークで写真を学び、現地の情報誌でキャリアを歩み始める。帰国後、『サッカーダイジェスト』で記者兼編集者を務める間に英『PA Sport』通信から誘われ、香港へ転職。『UEFA.com日本語版』の編集責任者を7年間務めた。欧州や南米、アフリカなど世界中に幅広いネットワークを持ち、現在は様々なメディアに寄稿する。1978年、福岡県生まれ。
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