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サッカー日本代表は攻撃的3バックなのにボール保持できない? サウジアラビア戦完封も気になるデータ (4ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi

【効果的な攻撃ができない状況が続いた】

 結局、攻撃的な戦いを狙いとしていたはずの日本だったが、この試合で見せた敵陣でのくさびの縦パスは皆無に等しかった。クロスボールは前半が3本で後半が4本のみ。パス本数もサウジアラビアの596本(成功率86.7%)に対し、日本は452本(成功率83%)だった。

 そもそも敵陣でボールを保持できたのは、1分以上にわたってボールをつなぎながら最後に鎌田がフィニッシュした先制点のシーンくらいで、後半になると、自陣で守る際はほぼ5バック状態が続いていたというのが、この試合の日本だった。

 それでも、森保監督の選手交代が当たって、81分にコーナーキックから途中出場の小川航基のゴールで勝負を決めたのだから、日本のほうが試合巧者だったのは間違いない。ただし、5バックで守る時間が続いたことも含め、効果的な攻撃ができない劣勢が続いたなか、4バックにシフトチェンジするなど試合の流れを変える一手が打てなかったベンチワークも、今後に向けた課題として挙げておくべきだろう。

 次のホームでのオーストラリア戦は、サウジアラビア戦とはまったく異なる展開になるかもしれないが、W杯ベスト8以上を目指すためにも、予選で結果を残しながら課題を解決していく作業は、今後も並行して続けていく必要がありそうだ。

著者プロフィール

  • 中山 淳

    中山 淳 (なかやま・あつし)

    1970年生まれ、山梨県出身。月刊「ワールドサッカーグラフィック」誌編集部勤務、同誌編集長を経て独立。スポーツ関連の出版物やデジタルコンテンツの企画制作を行なうほか、サッカーおよびスポーツメディアに執筆。サッカー中継の解説、サッカー関連番組にも出演する。近著『Jリーグを使ってみませんか? 地域に笑顔を増やす驚きの活動例』(ベースボール・マガジン社)

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