サッカー日本代表、「超攻撃的」から一変 堂安律、三笘薫の守備での健闘は宝の持ち腐れ (3ページ目)
「自分たちがボールを持つ時間を増やす」
カタールW杯後、森保監督は、ベスト8に進む条件のひとつとして、イニシアチブの重要性を挙げていた。ドイツ、スペインを撃破した戦いは、そもそも僥倖に近かった。あの時よりも主体的な戦いができないなら、次は一敗地にまみれるだろう。端的に言えば、W杯ベスト8は夢と消える。
現状、ピッチに立った日本の選手たちは、それぞれが連係し、やるべき答えを見つけ出すことができる。欧州トップレベルでの戦いで、彼らはその適応力を身につけている。おかげで、どんなフォーメーションも運用できる。ただ、不具合が生じた途端、攻撃的から守備的に完全にシフトチェンジせざるを得ないなら、そのフォーメーションには欠陥がある、ということになる。
10月15日、埼玉。オーストラリア戦はひとつの試金石になるだろう。オーストラリアは世界の強豪とは言えないが、カタールW杯もベスト16に勝ち進んでおり、地力はある。森保ジャパンの真価が問われる。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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