サッカー日本代表ワールドカップ予選のベスト布陣を識者が考察 本大会で成功するための陣容は? (2ページ目)
【現実路線のベスト布陣】
原山裕平(サッカーライター)
この記事に関連する写真を見るFW/三笘薫、上田綺世(浅野拓磨)、伊東純也
MF/鎌田大地、久保建英
MF/遠藤航(藤田譲瑠チマ)
DF/伊藤洋輝(中山雄太)、冨安健洋(町田浩樹)、板倉滉、菅原由勢
GK/大迫敬介
門戸は少しは開いているだろうが、森保一監督の頭の中ではおおむねメンバーは定まっていると思われる。今回、2名が加わったパリ五輪世代の選手たちにとっても、なかなか付け入る隙はないはずだ。したがって願望よりも、今回発表されたメンバーを軸に現実路線で最終予選でのベスト布陣を考えてみた。
まずシステムは、前回の最終予選でもそうだったように、4-3-3が適していると判断した。アジアの守備的な相手には、より攻撃的な布陣のほうが機能するだろう。
いまだ決め手を欠くGKには、大迫敬介を推す。好調を維持するサンフレッチェ広島で調子を上げており、自信も漲っている。最終予選では彼を軸に戦い、不動の存在へと成長を促したい。
最終ラインはほぼ鉄板だろう。今回はケガで選外となった伊藤洋輝と冨安健洋が復帰すれば、この4バックがベストになる。
多士済々の中盤には唯一、希望を入れた。パリ五輪でも躍動した藤田譲瑠チマが遠藤航にどこまで迫れるか。今回は呼ばれていないものの、予選のなかでチャンスを与えたいところだ。
アジアカップ以来の復帰となった両ウイングは、日本の最大の強みとなる。両者が予選を通じてコンディションを保つことが、何より望まれるところだ。
懸案のセンターフォワードには数字を出している上田綺世を置いたが、浅野拓磨の勝負強さも捨てがたい。もっとも、小川航基も含めて決め手を欠くなか、新たなタレントの台頭も望めない。だとすれば、クラブで好調を維持し、狭い局面で違いを生み出せる南野拓実を置く手もあるかもしれない。
著者プロフィール
後藤健生 (ごとう・たけお)
1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2022年12月に生涯観戦試合数は7000試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。
原山裕平 (はらやま・ゆうへい)
スポーツライター。1976年生まれ、静岡県出身。2002年から『週刊サッカーダイジェスト』編集部に所属し、セレッソ大阪、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、日本代表などを担当。2015年よりフリーランスに転身。
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