佐藤恵允はSNSのアンチコメントには屈しない パリ五輪で「評価をひっくり返したい」 (3ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【唯一無二の選手になれる可能性】

── 左のウイングバックですか?

「右のウイングバックです。ボールを持つ位置が低くなるので、自分に足りなかったビルドアップの能力も上がりました。そもそも、うしろからビルドアップをしたことがなくて、いつも前でボールを受けていたので、組み立てのポジショニングや戦術眼が必要になってくるんですよね。ブレーメンはサイドを起点にするので、そういうところもちょっとずつ成長しているのかなと思います」

── 今は世界的にどのチームもサイドに強烈な選手を置くようになったので、ウイングバックやサイドバックの対応が肝になりそうです、同じサイドでも、前とうしろでは求められるスタミナもまったく違いますよね。

「そこは全然、違いますね。ブレーメンでウイングバックをやっている時の守備を、代表の3トップのサイドに入った時にできれば、うしろのサイドバックはかなり助かるなと思っているんです。それを心がけつつ、そこからまた攻撃に転じれば、唯一無二の選手になれるかなって。まだ追求しているところですけど、そこをオリンピックで示せたらいいなと思っています」

── 冒頭でも少し触れていましたが、SNSでのコメントなどは気になるほうですか?

「気にしないようにしても、つい目に入ってしまうんですよね。アジアカップの時も、プレッシャーであまりいいプレーができなかったので、毎試合アンチコメントがSNSでトレンド入りしていました。見たくなくても目に入っちゃうし、それを(山本)理仁がいじってくるんです(笑)。優しさで言ってくれているんですけどね」

── 無視されるよりはいい?

「はい。こういう職業なので、(話題にされて)ありがたいなとも思えるようになりました」

── 昨今はSNSとの付き合い方が選手の間でも話題になったりしています。

「自分はそのようなコメントはあまり気にしないですし、プレーについて何か言われることは仕方ないことかなとも思っています。けっこう気にしちゃう選手も多いと思いますが、さすがに代表クラスになると、些細なことで落ち込んでいられないです。オリンピックで結果を出して、評価をひっくり返したいです」

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