佐藤恵允はSNSのアンチコメントには屈しない パリ五輪で「評価をひっくり返したい」 (2ページ目)

  • 了戒美子●取材・文 text by Ryokai Yoshiko

【守備力の強化が代表入りにつながった】

── スピードはもともとストロングポイントだったと思います。

「それでも、やっぱり海外に行くと上には上がいる。スピードだけでは勝負できないですよね。なので、今はスピードだけじゃなくて、守備の部分でも違いを見せようという考えになりました。

 海外の選手は、攻撃がすごくても守備はけっこう雑で、足を出すだけでプレスを簡単に回避できることも多いんです。だから、そこで違いを見せようと思って取り組んだりもしています。もちろん、自分は点を決めてナンボの選手なので、プラスアルファで守備を心がけてやっています」

── タスクを増やしたのですね。これも大変な道です。

「そう、海外って簡単じゃないです。まだ海外に行って1年目の僕が言っていいのかわからないですけど」

最終的な目標はプレミアリーグと語る photo by Hara Etsuo最終的な目標はプレミアリーグと語る photo by Hara Etsuoこの記事に関連する写真を見る── 長谷部誠さんも「日本ではフィジカルのデータ計測で誰かに負けた記憶はないけれど、こっち(ドイツ)に来たら平均的な値だった」と話していました。

「通用する時もあるんですけど、たとえばスピードを武器としている選手は、やっぱり自分よりもはるかに上。だからスピードを伸ばすのはもちろんですけど、ほかの人が持っていないものを出していくことで、自分の存在感を示せると考えています」

── 結果的に、それが五輪代表にもつながりました。

「そうなんですよ。代表でもその守備をストロングとしていたことが、今回のオリンピックメンバーにも食い込むことができた一因なのかなと思うんです」

── 選考理由を説明されたわけではない?

「ないです、ないです。僕の考えです」

── プレーするポジションも増えましたか?

「ブレーメンのトップチームは3-5-2ですが、僕はウイングバックをやっています。ほぼサイドバックに近い動きですが、アップダウンがあって、守備をすることも多いです。でも、そういう環境だったので守備力が向上したのかなとも思います。いろんなポジションをやることで、プレーの幅が広がったという感覚はありますね」

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