パリ五輪グループDは「地獄の組」 対戦国パラグアイ、マリ、イスラエルは「日本戦がカギを握る」と警戒 (3ページ目)

  • リカルド・セティオン●文 text by Ricardo Setyon
  • 利根川晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

【日本研究に余念がないイスラエル】

「我々は歴史的な挑戦を目の前にしている。初戦の相手が日本になると知って、私は少なからず驚きと運命を感じた。なにしろパラグアイが最後にオリンピックに出場した時も、初戦の相手は、まさに日本だったからだ。そう、2004年の銀メダルへの道は、まず日本戦から始まった。4-3で日本を破ったパラグアイはそのまま決勝まで進んだ。数奇な偶然だが、日本が我々にもう一度、幸運をもたらしてくれることを願ってやまない」

 パラグアイは験を担ぐことができるか。

 パラグアイのサポーターも初戦の対戦相手がどこになるかが気になったようで、ウズベキスタン戦は金曜日の昼間だったにもかかわらず、試合を追っていた者がいた。SNSには試合を見た感想がいくつも見られた。「ヤマダはマジでクラック!」「コクボってなんてファンタスティックなんだ!」「でもこの日本に勝てたら、金メダルにだって届くかもしれないよ」......といった具合だ。

 イスラエルでも、日本が同グループにやって来たことは話題になっている。イスラエルは今回3回目のオリンピックだが、ヨーロッパ代表として参加するのはこれが初めてである(過去2回はアジアのチームとして出場)。ドイツやイタリアを抑えてオリンピックの舞台に立つことに非常に誇りを持ち、そこでメダルを取るために高いモチベーションを持っている。そのため対戦チームの研究にも余念がない。そしてかなり日本を重要視している。

 イスラエルのガイ・ルゾン監督はこうコメントしている。

「イスラエルは最も難しいグループに入ってしまったのは確かだ。3チームとも非常に強い。だが同時に、三者三様のプレーの哲学を持ったチームと対戦できることを嬉しくも思う。マリは身体能力が非常に高く、持久力も抜群だ。パラグアイの強みはテクニックで、多彩なプレーを見せてくれるだろう。そして日本。私は日本のことは一番よく知っている。

 私は間近で、日本がカタールやイラクを破るのを見てきた。彼らのプレースタイル、長所も短所も知っていることは非常に重要であると思う。とにかくオリンピックに出られるのは世界でたった16チームだ。そのなかに入っている我々もまた強いチームだ。それぞれの強さを持つ同組のライバルたちに勝つ唯一の方法は、恐れを抱かないこと、勇気を持って戦うことだ」

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